中国語の発音のしくみは、「母音」+「子音」+「声調」の3つで形成されています。.
中国語の子音は、単独では音にならず、必ず母音と合わせて発音されます。
上記の「你(nǐ)=ニー」は、「n」という子音と「i」という母音を合わせて発音されます。
これは「な行の(n)」と「あ行の(i)」で「に(ni)」になる日本語と似た構造ですよね。
中国語の子音の特徴として、唇や舌、喉の使い方で分類され、また息を外に吐き出す「有気音」や唇や歯と摩擦して音を出す「摩擦音」などを合わせて発音されます。
今回は、子音の種類とその発音方法を説明していきます。
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子音の種類
子音は、主に口(唇や舌)の使い方で、6つの発音方法と4つの音を組み合わせて発音をします。
6つの発音方法
舌尖音:舌の尖端を上の歯茎につけて発音をする
舌根音:舌を口の奥に引いて、喉の奥から発音をする
舌面音:舌の尖端を舌の歯茎につけて発音をする
舌歯音:舌の尖端を前歯の裏側につけて発音をする
そり舌音:舌の尖端を上に巻いて発音をする
4つの音
無気温:息を口の中に抑える音
摩擦音:歯と唇をつけて、摩擦させながら出す音
鼻音:音を鼻から出すイメージ、鼻を振動させて出す音
この「6つの発音方法」と「4つの音」を合わせて子音を出します。
唇音の発音方法
唇音は、上下の唇を合わせて音を出す方法で4種類あります。
表では発音をしやすいように「o(オ)」の母音をつけて説明しています。
唇音(4種類)
b(o) | 「b」(無気音):唇をすぼめて、濁音にならないように「ボォー」と息を抑えて発音する |
p(o) | 「p」(有気音):唇をすぼめて「ポォー」と息を外に出して発音する |
m(o) | 「m」(鼻音):唇を突き出して「モー」と鼻から音を出すように発音する |
f(o) | 「f」(摩擦音):上の唇と下の歯を軽くつけて「フォー」と発音する |
無気音の「b(o)」は、閉じた唇を「母音o(オ)」でこじ開ける感覚で、息ができるだけ外に出ないようにするとうまく発音できます。
有気音の「p(o)」は、口の中でためた空気を一気に吐き出して、閉じた唇を押し開く感覚でするとうまく発音できます。
舌尖音の発音方法
舌尖音は、舌の先を上の歯ぐきにつけて音を出す方法で4種類あります。
表では発音をしやすいように「e(エ)」の母音をつけて説明しています。
舌尖音(4種類)
d(e) | 「d」(無気音):舌の先を上の歯ぐきにつけて、日本語の「ダ」のように濁音にならないように発音する |
t(e) | 「t」(有気音):舌の先を上の歯ぐきにつけて「タ」と息を外に出して発音する |
n(e) | 「n」(鼻音):舌の先を上の歯ぐきにつけて、母音「e」の音で「ヌェ」と鼻から音を出すように発音する |
l(e) | 舌の先を上の歯ぐきにつけて、母音「e」の音で「ルァ」と発音する |
舌根音の発音方法
舌根音は、喉の奥から音を出す方法で3種類あります。
表では発音をしやすいように「e(エ)」の母音をつけて説明しています。
舌根音(3種類)
g(e) | 「g」(無気音):口を左右に引いて、喉の奥から音を出す。日本語の「ガ」のように濁音にならないように発音する |
k(e) | 「k」(有気音):口を左右に引いて、喉の奥から音を出す。「カ」と息を外に出して発音する |
h(e) | 「h」(摩擦音):口を左右に引いて、喉の奥から息を出して音を出す。舌は動かさず「フゥー」と発音する。日本語の「フゥー」のように口をすぼめないこと |
舌面音
舌面音は、舌の先を下の歯ぐきにつけて音を出す方法で3種類あります。
表では発音をしやすいように「i(イ)」の母音をつけて説明しています。
舌面音(3種類)
j(i) | 「j」(無気音):口を左右に引いて、舌の先を下の歯ぐきにつけて「ジィー」と発音する。息は口の外に出ないようにする |
q(i) | 「q」(有気音):口を左右に引いて、舌の先を下の歯ぐきにつけて「チィー」と発音する。息を外に出すように発音する |
x(i) | 「x」(摩擦音):口を左右に引いて、「シィー」と発音する |
舌歯音の発音方法
舌歯音は、舌の先を上の歯の裏につけて音を出す方法で3種類あります。
表では発音をしやすいように「i(イ)」の母音をつけて説明しています。
舌歯音(3種類)
z(i) | 「z」(無気音):口を左右に引いて、舌の先を上の歯の裏につけて「ズー」と発音する。日本語の「ズ」のように濁音にならないように発音する |
c(i) | 「c」(有気音):口を左右に引いて、舌の先を上の歯の裏につけて「ツー」と発音する。息を外に出すように発音する |
s(i) | 「s」(摩擦音):口を左右に引いて、上下の歯の隙間から息を出して「スー」と発音する |
そり舌音の発音方法
そり舌音は、舌の先を上の歯や歯ぐきにはつけずに、ちょっと離した距離を保って音を出す方法で4種類あります。
表では発音をしやすいように「i(イ)」の母音をつけて説明しています。
そり舌音(4種類)
zh(i) | 「zh」(無気音):舌の先を上の歯や歯ぐきにはつけずに、ちょっと離した距離を保って「ヂィー」と発音する |
ch(i) | 「ch」(有気音):舌の先を上の歯や歯ぐきにはつけずに、ちょっと離した距離を保って「チィー」と発音する。息を外に出すように発音する |
sh(i) | 「sh」(摩擦音):舌の先を上の歯や歯ぐきにはつけずに、ちょっと離した距離を保って、上下の歯の隙間から息を出して「シィー」と発音する |
r(i) | 舌の先を上の歯や歯ぐきにはつけずに、ちょっと離した距離を保ち、巻き上げて発音する。喉の奥の声帯を使って「リ」と発音する |
そり舌音は、日本人にとって難しい発音の一つです。
上記の4種類は、難易度が高く、特に「r(i)」の声帯を使った発音が難しいと思います。
最初は喉に手をあてて、声帯が震えているのを確認しながら練習すると効率が良いでしょう。
まとめ
中国語で使われる子音の種類と発声方法をまとめてみました。
母音と同じでとても数が多いので一気に覚える必要はありません。
簡単な発音から覚えていったほうが、進歩が早いでしょう。
●子音の発音は、「無気音」と「有気音」と「摩擦音」を先に理解すると早く覚えられる
●そり舌発音は、口を左右に引いて、舌をどこにもつけず上に巻くとうまく発音できる
●そり舌音の「r(i)」は、喉に手を当てて、声帯が震えるようにするとうまく発音できる
先に接客会話を勉強して、発音しにくい子音が出てきたら、このページに戻っておさらいをする方法が効率良く勉強できるでしょう。
中国語で有名な相原茂先生の名言で、「中国語 発音よければ半ばよし」という言葉があるように、中国語学習は、一にも二にもまずは発音練習が大切なのです。
「罗马不是一天建成的」
(ローマは一日にして成らず)
語学はコツコツとやったもの勝ちです。
あなたならできます。ガンバってください。
中国語で使用する漢字や発音については、こちらでわかりやすく解説しています。
◯伝わる中国語講座1-中国人が使う漢字は「簡体字」と「繁体字」どっち?
◯伝わる中国語講座2-声調ってなに?
◯伝わる中国語講座3-母音ってどうやって読むの?
◯伝わる中国語講座4-子音ってどうやって読むの?
◯伝わる中国語講座5-声調変化ってなに?