2016年は日本のインバウンド市場の勢いがそのまま数字に表れた一年でした。.
2016年の訪日外国人数は「2403万人」と前年の「1973万人」を大きく更新しました。
この勢いは2017年に入っても止まらず、2017年4月には単月で過去最高の「257万人」を突破!
こういうデータを見るとインバウンド市場の活況をまざまざと感じますね。
増え続けている外国人観光客ですが、彼らはいったい日本のどの地域から入国をしているのでしょうか?
データを見ながら今後のインバウンドの流れを追ってみたいと思います。
外国人観光客が多いのは知ってるけど、どうしたら良いのか分からない人は必見!インバウンドビジネス必読のベストセラー
インバウンドで何をしたら良いか分からない人はこの本を読むべき!「インバウンドビジネス入門講座」
これから増えるFIT層(個人旅行者)を攻略したいなら必読!FIT層集客の良書!
FIT(個人旅行者)を集客するなら必読!ネット活用でここまで変わる!外国人観光客を呼び込む方法
目次
外国人観光客はどこの空港から入ってくるのか?
日本のインバウンド市場の勢いを知る方法の1つに、外国人観光客が日本のどこから入国をしているのかを調べる方法があります。
彼らがいったい日本のどこに興味があり、どこを観光拠点として活動をしているのか?
日本の中でどこの地域が観光地として活性しているのか?
このような疑問を解決するために、法務省が提供している出入国管理統計を見てみましょう。
2016年度空港・海港別外国人入国者数ベスト20
順位 | 空港・港名 | 2016 | 2015 |
1位 | 成田空港 | 682.2万人(+11.5%) | 611.7万人 |
2位 | 関西空港 | 608.6万人(+21.5%) | 500.7万人 |
3位 | 羽田空港 | 326.4万人(+31.3%) | 248.5万人 |
4位 | 福岡空港 | 163.1万人(+17.1%) | 139.2万人 |
5位 | 那覇空港 | 135.4万人(+25.7%) | 107.7万人 |
6位 | 中部空港 | 122.2万人(+21.1%) | 100.9万人 |
7位 | 新千歳空港 | 114.7万人(+21.0%) | 94.8万人 |
8位 | 比田勝港(対馬) | 17.8万人(+30.4%) | 13.7万人 |
9位 | 博多港 | 16.1万人(-11.7%) | 18.3万人 |
10位 | 富士山静岡空港 | 10.7万人(-36.5%) | 16.9万人 |
11位 | 函館空港 | 10.1万人(-2.8%) | 10.4万人 |
12位 | 広島空港 | 9.7万人(+38.2%) | 7万人 |
13位 | 鹿児島空港 | 8.3万人(+23.9%) | 6.7万人 |
14位 | 厳原港(対馬) | 8.2万人(+5.0%) | 7.8万人 |
15位 | 関門港(下関) | 7.7万人(-6.0%) | 8.2万人 |
16位 | 旭川空港 | 7.6万人(-13.8%) | 8.9万人 |
17位 | 高松空港 | 7.5万人(+40.6%) | 5.3万人 |
18位 | 茨城空港 | 6.6万人(+14.6%) | 5.8万人 |
19位 | 小松空港 | 6.5万人(-2.3%) | 6.7万人 |
20位 | 仙台空港 | 4.9万人(+22.6%) | 4万人 |
三大都市圏が安定の強さ
最近では地方に行く外国人観光客が増えてきたとはいえ、まだまだ都市部を訪れる外国人観光客が圧倒的に多いことがわかります。
三大都市圏とは「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫」の8都府県のことで、外国人観光客にとても人気がある都市部のことをいいます。ここでは「成田空港」「羽田空港」「関西空港」「中部空港」を利用する外国人観光客のことを指します。
都市部以外では北海道・九州・沖縄が人気
三大都市圏以外では、北海道・九州・沖縄へ行く外国人観光客が増えています。
北海道は「台湾人」の旅行者が一番多く、「新千歳空港」や「函館空港」、「旭川空港」の利用率が高いのが特徴です。台湾は南国なので北海道の雪景色や海鮮を楽しむ旅行者が多いのでしょう。
北海道でインバウンド対策をされる店舗・施設は、繁体字のPOPやメニューを準備すると効果的だと思います。
九州は「韓国人」旅行者がとても多いエリアです。九州は韓国から近く、アクセスが便利で空港以外にも港から入国する旅行者が多いのが特徴です。「大阪港」、「博多港」、「比田勝港」の利用者はほとんど韓国人旅行者です。
九州でのインバウンド対策では韓国語のPOPやメニューを用意したほうがよいでしょう。
インバウンド効果で影響力が出始めた地方
上記の表を見るとまだまだ主要都市の空港を利用する外国人観光客が多いですが、ここ数年で状況が変わり、地方航空を利用する外国人観光客が増えてきました。
観光客数の増加が続く九州・沖縄地区
九州では、「福岡空港」「鹿児島空港」、沖縄では「那覇空港」が順調に外国人観光客数を伸ばしています。
この地域は、空路以外も大型クルーズ船などの寄港増加の影響があり、データ以上の勢いを感じます。
好調な九州・沖縄地区
2016年 | 2015年 | |
福岡空港 | 163.1万人(+17.1%) | 139.2万人 |
那覇空港 | 135.4万人(+25.7%) | 107.7万人 |
鹿児島空港 | 8.3万人(+23.9%) | 6.7万人 |
環境変化により観光客数が減少した地域も
東京−富士山−大阪の観光ゴールデンルートの中央に位置し、立地条件の良さで中国人観光客の呼び込みに成功した「富士山静岡空港」でしたが、中国からの団体客が減り、2016年は減少になりました。これは中国人旅行者が団体から「FIT(個人旅行者)」に移行したことにより、旅行スタイルの多様化が進み、固定化されていた観光コースに陰りが見え始めたのです。
北海道にある「旭川空港」は、中国・台湾からの直通便の運行停止や就航数の減少から入国数が大幅に減りました。
外国人入国者数が減少した空港
2016年 | 2015年 | |
富士山静岡空港 | 10.7万人(-36.5%) | 16.9万人 |
旭川空港 | 7.6万人(-13.8%) | 8.9万人 |
まとめ
2017年に入っても活況が続くインバウンド市場。しかし日本全国の全てが順調というわけではなく、各地域によって差がついてきました。
これも外国人観光客の観光スタイルに変化が出てきたことで、行先が変わったり、観光拠点に変化が出始めたからです。
観光ゴールデンルートが賑わったのは昔の話。日本観光を楽しむ外国人リピーター客は、次から次へと日本の魅力的な観光地を発見しては、赴き旅行を満喫しています。
流行に敏感で、好奇心旺盛なリピーター客の動向を把握するには、日々の情報収集が大切になってきます。
あなたがビジネス展開をしている商圏ではどのような外国人観光客が多いのかを事前に把握し、インバウンド対策を取ることで効率や効果が大きく変わっていくことでしょう。