2015年はたくさんの外国人観光客が日本を訪れ、流行語大賞では「爆買い」が選ばれるなどインバウンド需要が活況な一年でした。.
2016年になり、観光庁から2015年の統計が色々出てきましたが、注目したいのが「訪日外国人消費動向調査」です。
インバウンド需要により潤ってきた業種も出てきました。では一体外国人観光客はナニにお金を使っているのかをデータを見ながら掘り下げてみたいと思います。
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目次
とうとう3兆円を突破したインバウンド市場
2015年の訪日観光客が合計で「1973万人」と過去最高の数字を出し、その外国人観光客が日本で消費した金額は合計で「3兆4771億円」とこちらも過去最高の数字を出しました。
これらの数字を見ただけでも、インバウンド市場の大きさが見て取れます。
外国人観光客の増加と消費額の推移
観光庁のデータではここ5年間の外国人観光客の増加と消費額の推移をグラフにしています。
ここ5年間で外国人観光客は「3倍」、外国人観光客の消費額は「4.2倍」と大きく膨らみました。
これは円安が進んだこととアジアの国で富裕層が増加したことで、日本に旅行に行きやすくなったことが挙げられます。
しかも日本の高品質な製品を買い求めるためだけに訪れている外国人も少なくありません。
日本で一番お金を使っているのはあの国
こちらは国別の「一人あたりの旅行支出」です。
やはり中国人観光客が突出しています。それに次いでアメリカ人、香港人、台湾人の消費額が多くなっています。
アメリカ人はともかく中華圏の消費力には目を見張るものがありますね。
国名 | 一人あたり旅行支出(構成比) | 前年比 |
中国 | 283842円 | +22.5% |
アメリカ | 175554円 | +6.2% |
香港 | 172356円 | +16.5% |
台湾 | 141620円 | +13.1% |
韓国 | 75169円 | −0.9% |
中国人だけで1兆4174億円の消費
それでは訪日観光客の消費額を国別で見てみましょう。
中国だけで「1兆4174億円」の消費をしています。
また台湾や香港などの中華圏も消費額が増加しています。
国名 | 消費額(構成比) | 前年比 |
中国 | 1兆4174億円(40.8%) | +71.5% |
台湾 | 5207億円(15.0%) | +46.9% |
韓国 | 3008億円(8.7%) | +43.9% |
香港 | 2627億円(7.6%) | +91.8% |
アメリカ | 1814億円(5.2%) | +23.0% |
中華圏(中国・台湾・香港)観光客の消費額は「2兆2008億円」で、全体の「63%」を占めているのです。
中華圏のお客様だけに絞ったインバウンド対策でもかなりの効果があるでしょう。
訪日観光客なナニに一番お金を使っているのか?
日本での消費額が著しい訪日観光客。では彼らは一体ナニにお金を使っているのでしょうか?
訪日観光客の費目別のグラフを見てみましょう。
やはり一番の消費目的は「買い物代」でした。それも年々増加していることも注目です。
宿泊や飲食にお金を使うよりも、そのお金を買い物代に回す傾向が見て取れます。
国によってお金の使い方が異なってくる
先ほどのグラフでは宿泊・飲食よりも「買い物」にお金を使う傾向がデータがありましたが、これは国籍によって内容は変わってきます。
上記の表を見るとアジアの国は「買い物」に比重を置いた消費行動を示しているのに対し、オーストラリアやヨーロッパの国では「宿泊」や「娯楽」に比重を置いた消費行動を起こしているのがわかります。
このことから、運営する店舗や施設がどの国籍のお客様に支持されているかで、宿泊や娯楽や物販など、どの分野で攻めていくかが別れてきます。
アジア圏のお客様が多ければ、消費意欲が高いのでショッピングができる環境作りが大切になってきます。
またヨーロッパ圏やオーストラリアのお客様が多ければ、宿泊施設や娯楽・レジャーに力を入れた環境作りが大切になってきます。
これからのインバウンド戦略
これだけ各国の観光客で消費行動が変わってくるとどういう方向性でインバウンド対策をしていけばよいか分からない方もいるかと思います。それだけ日本の観光が多様化しているとも言えます。
インバウンド対策の基本は絶対数が多い中華圏を狙う
現在の時点であまり積極的にインバウンド対策をしていない店舗の方は、やはり絶対数が多い中華圏のお客様に向けたインバウンド対策が一番効果があると思います。
中華圏のお客様は買い物が大好きで、富裕層であればお金に糸目をつけずに消費をする傾向があります。なので中華圏のお客様が買い物を楽しめるような環境を作ることが大切になってきます。
中華圏観光客に対するインバウンド対策はやはり中国語
訪日観光客全体の半数以上を占める中華圏観光客。また消費額に関しては全体の「63%」を占めるのですから、ぜひ中国語を使ってインバウンド対策を積極的に行い、競合店に差をつけて売上アップを狙ってください。